漫画の神様・手塚治虫先生が「マアチャンの日記帳」でデビューしてから、今年で丁度70年が経ちました。
今回は手塚先生のデビュー70周年を記念して、ぜひとも読んでほしい3作品を個人的なセレクトでご紹介します!
火の鳥
一作目は、言わずと知れた手塚先生の代表作。
「火の鳥の血を飲むと不老不死になれる」という伝説にまつわる、過去から未来にわたる12の物語の連作です。
各シリーズに「〇〇編」とサブタイトルが付いていますが、順番は特に決まっておらずどのお話から読んでもいい様になっています。
中でも、特にオススメしたいのは「ヤマト編」。
古墳時代の日本が舞台で、歴史を正しく書き残そうとする人々と、自分たちに都合の良い嘘の歴史を書き残そうとする人々の諍いが描かれます。
七色いんこ
二作目は、週刊少年チャンピオンで連載された「七色いんこ」。
主人公の七色いんこは代役専門の舞台俳優で、天才的な演技の実力を持っています。
しかし、その正体は劇場に来ている金持ちから宝石などの金品を拝借する幕間ドロボウ。
「全身全霊を込めた演技で感動を与えている代償として、少しだけ見返りをいただく」というスタンスで役者とドロボウ稼業をこなす彼ですが、その過去は謎めいています。
ミステリアスな彼の魅力と、彼を追う刑事・千里万里子(せんりまりこ)とのドタバタ活劇から目が離せません。
単行本は全7巻と、手塚作品にしてはコンパクトで手に取りやすいオススメ作品です!
鳥人大系
最後にご紹介するのは、少し大人向けのSF作品「鳥人大系」。
物語の始まりは、小鳥が火を使って民家を燃やしたという不可解な事件。
実はこの事件は、鳥類が知能を持ち始めていることを示すサインだったのです。
鳥たちは急速に進化を始め、高度な知能を獲得します。
そして、地球の支配者にふさわしいのは人類ではなく鳥類であると考えるようになるのです。
間もなく、世界中で鳥が人間を襲い始めます。
人類に取って代わって「鳥人」となった彼らは、新しい世界を創造するのですが…。
「鳥人大系」は、さながら人間の愚かさを知らしめるために投じられた一石のような作品です。
それは鳥人たちの創る社会が、皮肉にも人間社会の焼き直しのような理不尽さを抱えているからで、それゆえに鳥人の世界を通して人間社会の滑稽さを見つめさせられる構造になっています。
大人になったマンガ好きにこそおすすめしたい、とっておきの一作です。
偶然にも、3作とも鳥にまつわる作品を紹介しましたが、気になるマンガは見つかったでしょうか?
記念すべき70周年に、ぜひ手塚ワールドを堪能してみてくださいね!
読んで頂きありがとうございましたー!!!!!